信一さんにおはなししたんです。
あたし、伯母さんのところに行く。Hに行くわ。
信一さんの目が輝いたんです。
行こうぜ、行こう、おれが何とかするから。
あたしひとりで行くのよ。
えー、おれも一緒に行くって、郁美ちゃんにサービスしたいから。
どんなサービス?
無料送迎サービス。
送迎の迎えの方は要らないのよ。片道でいいのよでも。
でも・
そんなの信一さんに悪いわ。くるま?
そうだよ、このワゴン
たしかに大きな車で安心なんです。
でも、
そんなことしてもらったら、信一さんに悪いわ。
本当にいいんですか?郁美甘えてもいい?
信一さんは、にこにこして、とっても嬉しそう。
じゃあ、Hで片思いの人に会うってのを優先して、
あたしは、そのあとで、駅まで連れてって。
あ、ああ。うん。
信一さん、様子が変なんです。
あんなに、すらっとしたおんなでさーとか言っていたのに。
ま、いっか。
昼間では目立つので、そっと夜に、
こっそり家を出て、信一さんの車に乗り込む。
バックひとつで家出、興奮するの。
道の駅に着いた。ホントはいけないんだけど
ここで、2人は仮眠することにしたんです。
郁美、ちょっとお着替えするからむこう向いていて。
ああ、めーつむっているから。大丈夫だよ。
いつも気のいいおにいさんしてくれる信一さんだから安心してお着替え。