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2018_05
09
(Wed)23:30

病院に運ばれた彼

風邪と思っていた。
おれ、孝一。
でも、頭が痛くなってきて、
熱もどんどん上がって行って。
ばあちゃんに車で町の個人病院に言ったら
即座に入院ってことになった。
あつい、つらい、意識が遠のく。
ねむった。昏昏と寝た。
浅い眠りなのか、可南子がいつも出てきた。
にっこり笑う可南子が。
大丈夫よ、大丈夫。
孝一さんなら、すぐに治るわ。
きっとなおるの。
可南子がそばにいるから。
そういって、手を握ってくれた夢。
全部夢だったみたいだ。

今夜が山ですと、院長先生に言われた
おばあさまと可南子。
あたし、顔が真っ青になった。
もうこうなったら、祈るしかないの。祈ったの。
横になったおばあさま。
可南子はずっと彼のそばにいた。
おねがい、治ってください。
神様、彼を直してください。
川の向こうに連れて行かないで。
おねがいです。
可南子が代わりに死んでもいいから
彼を、孝一さんを助けて。

たすけて。

助けてください。
神様お願いよ。

午前3時に見てくださった院長先生。
肺炎の峠は越しました。
明日の朝にはもしかしたら目を覚ますでしょう。
だいじょうぶ。
そして、可南子の顔を見て、
あなたのおかげだ。本当に良かったよ。

そういって帰っていったの。

可南子、彼のお布団の端に顔を埋めて涙を流したわ。

本当に朝日が上がって、7時30分、
ううん・・・って、彼が言ったの。
孝一さんが気が付いたの。


先制、先生、看護師さん。

可南子は飛んで行って、報告して。

お二人が処置してくれてから、
彼と。
一緒に。
手を握って。
可南子・・・孝一さんの顔を見て
また、涙が出て。
恥ずかしいくらい、号泣して。

嬉しかったのよ。

もう、誰にも渡さないわ。
病気にも、天災にも。
可南子の彼よ。


C.O.M.M.E.N.T

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