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孝一です。彼女に聞いたんだ。何気なく。
ほんの好奇心で。

ぼくは、可南子姉の何人目の男になるの？

可南子ちゃん、顔を伏せると。
知らないほうがいいわよ。
孝一さんにわるいわ。

そういわれると余計聞きたい。
姉ちゃんは笑って。そんなこといいから、ね。
なぐさめる。

洗い物に立つ彼女に聞いた、後ろからお乳をそっと握って。
ねえ・・・・

そんなに聞くならほんとのこと言うわよ。
彼女は少しだけ困った顔をすると、
あなたで、五人目よ。

五人、５人、ぼくの前に４人もの男性が
彼女の身体を通過して行った。
えー。

ショックだった。

孝一さんには本当に衝撃だったみたい。
可南子、すぐに後悔して。
彼、お部屋に引きこもってしまって。

お風呂も作ろうとしない。
デザート剥くわよ、というと
いつもニコニコしているのに、
お部屋から返事もない。

おやすみなさい、ってドアから声をかけても返事がない。

可南子、ちょっと悲しかった。
言わなければよかった。
お布団に入っても眼が冴えてしまったの。
いつしか、眠っては、目が覚めて。
そのたびに、お布団を涙で濡らしたわ。
アキちゃんをはじめ、あたしの人生の
窮地に立った時、助けてくれた、慰めてくれた男の人、
その人との接点に、可南子は自分の身体をささげてきて。
やましいことは一つもないの、でも、若い孝一さんに
そこまで分かってというのは、無理だわ。
ブログを読んで、おショーツむらの過去の記事を読んでとしか
可南子は言えないの。


孝一です。午前三時、目が覚めてから、ずっと過去のブログを読んでいるんだ。

可南子ちゃんのはじめ、お母さんとお手伝いさんに
せっかんされたこと、
それがつらくて家出してきたこと。
学校の授業であした性交せよと言われたこと。
あまり可哀そうだと同情してくれた同居の
男女同級生たちの協力でアキというひとと
初めての性交をしたこと。
そのあとも、いろんなことがあって・・・

うちのばあちゃんが連れてきたのも
隣村のなつまつりで、男たちに裸にされて
彼らの前でお×っつこさせられたこと。

彼女が１９にしてこんな壮絶な人生をあゆんでいるとは
おれ、思わなかったんだ。
おれがバカだったんだ。聞かなければよかったんだ。
彼女を傷つけたのはほかならぬ俺なんだ。

可南子ちゃん。
お姉ちゃん。
部屋まで走った。

いない。リビングにも庭にも、どこにもいない。
ねえちゃーーーーーん。

書置きが。
頭を冷やしに行ってます。

池だ、この間二人で行った池。

俺は走った。
高校生だものそういう体力はある。余っているくらいあるんだ。

可南子姉ちゃん。