6月の半ば、可南子のところに
学園から連絡があったの。
「まゆみせんせい」
「郁美ちゃんの親戚だっていう人が学園に来ているの
あたしひとりでは不安だから、可南子ちゃんきてくれる」
純子がいなくなって、同級生で話せるのはあたしだけだって
まゆみせんせいが・・・・
北国の人らしい、上背のある女性。
郁美ちゃん、一年近く前から北海道に居て、
「いまは、H市のあたしの家にいるんです」
息をのむ。彼氏とかいるのだろうか
「いいえ、アキちゃんていう男性の事ばかり話して」
あきちゃん、アキちゃん、郁美ちゃんの居所が分かったよ。
あたし、アキちゃんのおうちまで走って行ったのです。
彼を連れてきて。
写真見せますね、
あゆみさんという、その女性が。
彼女と一緒に写っている、あー懐かしい郁美ちゃん。
アキちゃん、言葉も出ない。
ただ、目に涙をいっぱいためて。
ずっと待っていたンだ。
この知らせ、待っていたんだよ。
彼、やっと、言葉を絞り出すようにして。
若い男の子の号泣って、初めて見た。
あゆみさんも、可南子ももらい泣きして。
あゆみさん、
「今すぐとは言わないけれど、夏休みまでに、来て」
そういってくれたんです。
純子ちゃんが亡くなったことを話す。
びっくりして、うんうんって、聞いてくれたあゆみさん。
いいひとだわ。